空の青はどこまでも蒼く
カランカラン
亜美の行きつけのバーのドアが、心地好く音を立てる。
時間より少し早く到着した俺は、カウンターに腰を掛け、バーテンに声を掛ける。
「アプリコットフィズください。」
あの日、亜美とここに来た日、俺が亜美に頼んだカクテル。
【振り向いてください】
俺の心はずっと亜美を欲し、亜美を手に入れたと思っていた。
振り向いて欲しい。
18年前の俺を思い出して、俺に振り向いて欲しい。
一口飲んだアプリコットフィズは俺の喉で何も味がしなかった。
それ程までに緊張していた。
「お待たせ。」
振り返ればそこに、松下さんと安永さんが立ってた。
「こちら安永祐亮さん。私達三人は同期なの。で、高校からの付き合い。」
「高校からってことは・・・」
「そう、亜美がアメリカから帰って来てからずっとの付き合い・・・・・山野将樹君、今日は叩いてごめんね。」
「いえ・・・・・」
松下さんが急に謝るもんだから、俺は拍子抜けを食らった。
てっきり、こっぴどく叱られるものだとばかり思っていたから。
松下さんと安永さんはテーブル席へと俺を移動させ、私達は飲みたいものを飲むわ、と綺麗な色のカクテルを注文した。
「今日はほんとにごめんね。痛かったでしょ?」
「えぇ、まぁ。」
「けど、私、あれくらい怒ってたのよ、あなたに。最初は絶対許さないって思ってたの。」
松下さんのその眼差しは真剣で俺をしっかり見据えていた。
亜美の行きつけのバーのドアが、心地好く音を立てる。
時間より少し早く到着した俺は、カウンターに腰を掛け、バーテンに声を掛ける。
「アプリコットフィズください。」
あの日、亜美とここに来た日、俺が亜美に頼んだカクテル。
【振り向いてください】
俺の心はずっと亜美を欲し、亜美を手に入れたと思っていた。
振り向いて欲しい。
18年前の俺を思い出して、俺に振り向いて欲しい。
一口飲んだアプリコットフィズは俺の喉で何も味がしなかった。
それ程までに緊張していた。
「お待たせ。」
振り返ればそこに、松下さんと安永さんが立ってた。
「こちら安永祐亮さん。私達三人は同期なの。で、高校からの付き合い。」
「高校からってことは・・・」
「そう、亜美がアメリカから帰って来てからずっとの付き合い・・・・・山野将樹君、今日は叩いてごめんね。」
「いえ・・・・・」
松下さんが急に謝るもんだから、俺は拍子抜けを食らった。
てっきり、こっぴどく叱られるものだとばかり思っていたから。
松下さんと安永さんはテーブル席へと俺を移動させ、私達は飲みたいものを飲むわ、と綺麗な色のカクテルを注文した。
「今日はほんとにごめんね。痛かったでしょ?」
「えぇ、まぁ。」
「けど、私、あれくらい怒ってたのよ、あなたに。最初は絶対許さないって思ってたの。」
松下さんのその眼差しは真剣で俺をしっかり見据えていた。