空の青はどこまでも蒼く
そう言えば、額に、瞳に、頬に、鼻先に、そして唇に、優しいキスが降ってきた。
ゆっくりと触れるだけのキスから、将樹の温もりが伝わって来た。


こうなることを、ずっとずっと前から望んでた。
心の奥底で、いつも誰かを呼んでた。


空を見上げては、そこには居ない、そこには見えない誰かを探してた。
それが誰なのか・・・・・やっと、わかった。


見上げた空の蒼さに、吸い込まれるように、私は彼の中へ、ゆるりと堕ちてゆく。
蒼い空を流れる雲のように、私は彼の中へと沈んでく。


「亜美ちゃん?」

「何?」

「もう俺から離れないでね。」

「もう離れないよ・・・将樹?」

「何?」

「私のこと、好き?」

「何、聞いてんの?当たり前・・・亜美ちゃん?」

「何?」

「俺のこと、好き?」

「誰に聞いてるの?・・・好きだよ。」



私達はしっかりその手を繋いだ。






見上げた空は・・・・・







Fin
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