空の青はどこまでも蒼く
と、目の前に影が落ちた。
「石田さん。」
私の名を呼ぶその声は、昨日から私の耳に心地好かった。
もちろんその声の主は、
「山野君・・・・・」
顔を上げればそこに、今朝と同じ張り付けたような笑顔をした山野君が立っていた。
「携帯、貸してください。」
スッと差し出された手は大きいけど指は長く細く、それでいて少しゴツゴツしていた。
綺麗な手をしてるな、そう思った。
「石田さん?聞いてます?携帯、貸してください。」
「携帯って、何するの?」
「良いから出してください。」
何故だか分からない。
携帯を差し出す必要もない、拒めば良いのに、私はポケットから携帯を取り出し、山野君のその綺麗な手に乗せていた。
「ロック解除してください。」
そう言ってスマホの画面をこちらに向けられ、携帯を手に取ろうとしたら、高く携帯を上げられた。
「このまま、ロック解除してください。」
私の携帯は山野君の手の中にあるまま、ロック画面を解除する。
どうして彼の言いなりになってるんだ?
そう考える自分と、勝手に動く手に、脳が混乱を始めたとき、彼から携帯が返って来た。
「じゃ、また。」
彼はそう言って、踵を翻し、屋上から去って行った。
「石田さん。」
私の名を呼ぶその声は、昨日から私の耳に心地好かった。
もちろんその声の主は、
「山野君・・・・・」
顔を上げればそこに、今朝と同じ張り付けたような笑顔をした山野君が立っていた。
「携帯、貸してください。」
スッと差し出された手は大きいけど指は長く細く、それでいて少しゴツゴツしていた。
綺麗な手をしてるな、そう思った。
「石田さん?聞いてます?携帯、貸してください。」
「携帯って、何するの?」
「良いから出してください。」
何故だか分からない。
携帯を差し出す必要もない、拒めば良いのに、私はポケットから携帯を取り出し、山野君のその綺麗な手に乗せていた。
「ロック解除してください。」
そう言ってスマホの画面をこちらに向けられ、携帯を手に取ろうとしたら、高く携帯を上げられた。
「このまま、ロック解除してください。」
私の携帯は山野君の手の中にあるまま、ロック画面を解除する。
どうして彼の言いなりになってるんだ?
そう考える自分と、勝手に動く手に、脳が混乱を始めたとき、彼から携帯が返って来た。
「じゃ、また。」
彼はそう言って、踵を翻し、屋上から去って行った。