永すぎた春に終止符を

それなのに、こんな私でもいいと言ってくれてる彼と私は、距離を置こうとしている。

すぐには納得してもらえないだろうな。
でも、時期に分かると思う。
私が本気だってことを。


拓海とのこと考え直すなら、まず、里美に会うべきだと思った。拓海と出会えたのは、里美が彼を紹介してくれたからだ。

里美にも報告する義務があると思った。拓海と別れる事を考えるなんて、身のほど知らずだと怒られるかもしれないけど。


里美に連絡を取ると、彼女は、すぐに都合をつけてくれて、その週のうちに会う事が出来た。


里美の顔を見ると、私は、すぐに話を切り出した。
話し込んでしまうと、賢い里美に諭されて、拓海と別れると決心が鈍ってしまうから。


「わたし、拓海と別れるかもしれないの。里美、いろいろ力になってくれたのにごめん」梨沙は、頭を下げた。


「ん？」

いったい、何のこと？
というように、聡明な彼女でも、私の頭の中までは、予測のつかないもののようだ。