永すぎた春に終止符を
晴れてるのかな。日差しは柔らかい。

だか…明るいとこでクローゼットを開けてみても、状況が変わるわけじゃない。

「ああ、やっぱり着ていく服が何もない」
服がないって言うのは、どうなの?
今まで、普通に出掛けてたじゃない?

拓海と居ると、ジーンズにシャツ、それに何か羽織るだけで、デートに行くための洋服なんて何もないからだ。

せめて、1週間前にわかっていればな…

コーヒーをセットして、シャワーを浴びる。取りあえず、さっと髪を乾かし、ラフな部屋着に着替えた。私は、後一時間くらいかなと思って、クローゼットをあさってた。

見事に何にもない…
ジーンズか、結婚式用に買った、光沢のあるワンピースか…

スカートすら、ジーンズ生地の一着だなんて…
とても、29才の働いてる女のクローゼットとは思えない。


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