永すぎた春に終止符を
拓海がどう思おうと関係ない。私の問題だ。
それに今は、無理にでも…多少違和感があっても、積極的に前に進むべきなんじゃないかと思う。
彼は部屋中、好きなところを歩きながら、気になったものを手にとって見ている。
私は、彼の行動がきになりつつ、着ていけそうな洋服を探していた。
いくらクローゼットの中を漁っても、最初からそこにないものは、探しようがない。ため息をつくと、彼は、
「どうしたの、大事なものでも無くしたの?」と言って近づいてきた。
真剣に探してる私の様子を見て、心配になったのだろう。
彼は、しばらく私のことを黙って見ていたが、私の探し物が洋服だと分かると、彼は、大きな声で笑い出した。
「何だ俺…ちっとも君が楽しそうにしてないから、やっぱり行きたくないって、言い出すのかと思った。何だ、心配して損した」
「えっと…あの」
保田さんに、納得してもらっても、何の解決にもならない。
彼は、テレパシーみたいに私の考えを探り当て、
「取りあえず、何か着て。出掛けよう」
と言う。
「何かって…」
「裸じゃなきゃ何でもいいよ。それじゃ、まず、ショッピングに行こうか。クローゼットで探してるより、意味があると思うけど」
「一緒に行くの?」
保田さんは、私が何を言い出したのか、わからないって顔で見た。
「もちろん、そのつもりだよ。いけなかった?」