永すぎた春に終止符を
梨沙は、出勤するとすぐに幾美さんを探しにフロア中を歩き回った。この時間は、たいてい席にいる事が多いのだけれども、時々上司に呼ばれたりして席にいない事がある。梨沙は給湯室でポットにお湯を入れているところを運よく見つけた。
幾美さんは梨沙より5つ上、庶務課では一番のベテラン社員だった。
幾美さんと目が合った。
「梨沙、早いのね」
「はい。ちょっと話があって」
「そう。こっちはやっとくから、郵便物の仕分けお願い。その後話を聞くから。それでいい?」
「ありがとうございます」
梨沙は、給湯室からフロアに戻ると、運ばれた社内便や郵便物を各部署に割り振る。
幾美さんは、私の3つ上。
配属されて、よろしくと挨拶されてから他の社員と違う雰囲気を持っていた。
梨沙は自分の仕事を終えると、幾美さんに仕事の指示を仰ぎに行く。
梨沙は、自分は同期の中でも、一人で仕事が出来ていない方だと自覚している。
普通なら、29歳にもなればどこの職場にいても大抵のことは、把握して新しく来た上司に対しても、細かな説明が出来るものだ。
けど、梨沙が所属する庶務課では、幾美さんと言う大ベテランがいる。重要な仕事を彼女が握っていて、梨沙に任せてもらえる仕事はそれほど多くない。
これは、梨沙が仕事を腰かけだと思っていたところがあったので、幾美さんに掛け合って来なかった。
でも、ずっと仕事をしていくなら、この状態ではまずい。これでは、幾美さんがいなければ、何もできないという事だ。
幾美さんは梨沙より5つ上、庶務課では一番のベテラン社員だった。
幾美さんと目が合った。
「梨沙、早いのね」
「はい。ちょっと話があって」
「そう。こっちはやっとくから、郵便物の仕分けお願い。その後話を聞くから。それでいい?」
「ありがとうございます」
梨沙は、給湯室からフロアに戻ると、運ばれた社内便や郵便物を各部署に割り振る。
幾美さんは、私の3つ上。
配属されて、よろしくと挨拶されてから他の社員と違う雰囲気を持っていた。
梨沙は自分の仕事を終えると、幾美さんに仕事の指示を仰ぎに行く。
梨沙は、自分は同期の中でも、一人で仕事が出来ていない方だと自覚している。
普通なら、29歳にもなればどこの職場にいても大抵のことは、把握して新しく来た上司に対しても、細かな説明が出来るものだ。
けど、梨沙が所属する庶務課では、幾美さんと言う大ベテランがいる。重要な仕事を彼女が握っていて、梨沙に任せてもらえる仕事はそれほど多くない。
これは、梨沙が仕事を腰かけだと思っていたところがあったので、幾美さんに掛け合って来なかった。
でも、ずっと仕事をしていくなら、この状態ではまずい。これでは、幾美さんがいなければ、何もできないという事だ。