永すぎた春に終止符を
「そんなきれいごとじゃないの。何言ってるのよ。拓海が納得するわけないじゃないの。バカみたい。拓海と別れたく無いくせに。本気で別れようなんて思って無いくせに…」
彼女の目から、涙が落ちた。
「里美…ごめん、泣かないで。里美が悪いわけじゃない」
「私の方こそごめん。取り乱したりして」
里美が落ち着くのを待って、話をしようと思った。
「梨沙…あなたって拓海のこと本気で好きなの?」
「ん、そうだよ」
「じゃあ、別れる必要ないじゃない?」
「里美…拓海になにか頼まれた?」
「拓海は、私が何か言ったくらいで、気持ちがぐらついたりしない」
私は、しばらく考えた。里美を巻き込むのはよくない。
「ごめん、里美。これは、私達の問題なの。そのうち落ち着くから、待ってて」