キスのお相手は!?
「ーっ!ごめん!財布エミの家に忘れて来たみたい。
だから欲しいもの買うの我慢するね!

私、河原に戻ってるから!!」






『は?お金くらい貸す…おい!?』






お財布忘れたなんて嘘に決まってるじゃん。





田嶋くんの側に居られないからだよ。






田嶋くんだって私と一緒にいたくないでしょ?






田嶋くんの声を聞こえないフリして私は来た道を走って戻りだした。






その時に、髪につけてたコサージュが落ちてしまったと気付いたけれど。





振り向いたら、田嶋くんの姿が目に入っちゃう。






そしたら、またあの冷たい視線で見られてるとわかっちゃうよ。






そんなのまた見たら、きっと泣いちゃう。









コサージュはまた買えばいいもん。





あの目で見られるより全然マシだもん!







私は足の開きずらい浴衣でできる限りの全速力で走って田嶋くんの前から逃げ出した。



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