さくら色した君が好き
「双子のリスに遠慮してんのか?」
先輩
リスじゃなくて胡桃です。
「家庭の事情があるんです」
「貧乏なのか?おさがりでいいならシューズやるぞ。臭いけど」
「ありがとうございます。確かに金持ちじゃないけど、そうじゃなくて……」
上手く説明できない私の顔を、先輩はジッと見つめる。
昔から頭はイマイチだけど運動が好きで
中学生の時はバスケやって
それなりの結果は出してたけど
胡桃がある時
急にキレてしまい
『紅葉は激しい運動のできない私をバカにしてる。ずっとガマンしてたけど私だって動きたいのに。あてつけに部活やって楽しそうにしてる』
って泣かれてしまった。
『私の体力を奪って生まれてきたんだ』
それも言われてしまって
その後
また3日間ほど熱を出されてしまい。
私は高校に入ったら
運動部に入らないって心に決めた。
お母さんは黙ってたけど
これもまた
お父さんと長い話し合いになったっけ。
私は胡桃の体力を奪って生まれて来た気がする
身体が弱くて
激しい運動ができなくて
本当は10歳まで生きられるかどうかって
言われてきた胡桃はつらいと思うから
私は自分なりに
自分に制限をかけようって思った。