さくら色した君が好き

いつもの教室
いつもの自習時間。

多少ホコリっぽい教室で
あちこちで聞こえる笑い声
ごくごく普通の日常で
私はシャーペンを片手に山村君の声に集中する。

大好きな俊太の声に少し似てる。
その声に溺れないように
一生懸命足りない頭をフル回転。
なんとか一問目をクリア。

てか教え方上手だなぁ。
なるほど。なるほど。

「ありがとう。わかったよ」
一問解けた事が奇跡。
これを応用すりゃーいいんだな。

「一問教えたから、もういいな」

「うん。ありがとう」

約束の一問を教えてもらったので
すぐ机を戻しておしまいと思ったら

「ここから雑談。ライブDVDは買った?」
山村君はCatch Looksの話を始める。

「全部持ってるよ」
ドヤ顔で返事する私。

Catch Looksの話になったら
もう誰にも負けないよ私。

ふたりでマニアックな会話ばかり
気が付けばもう3時間目が終わる時間。
でもお互いに
これほどマニアックにCatch Looksの世界をリアルに語った事がないので、かなり大満足。

「加藤には負けるかも」

「いや同じくらい、山村君もマニアだよ」

あー久し振りに楽しかった。
< 26 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop