さくら色した君が好き

お父さんは一度車を停め
私はスマホのシャッターを切った。

北海道の季節外れの夜桜。

胡桃からもらったLINE画面を開き、画像をupする私。

綺麗に撮れてて嬉しい。
胡桃に見せたかった。

「ちょっと飛ばすぞ」
お父さんはアクセルを踏み
私はLINE画面を見る。

【白い恋人買ってきて】

その一行に思わず吹き出すと、お父さんは嬉しそうに「何て書いてた?」って聞く。

白い恋人って
うちの町の道の駅にも売ってるじゃん。

てか
たまにJAのスーパーでも売ってるし。

【ロクシタンのハンドクリーム。チェリーブロッサム】

あ、札幌らしくなってきた。

【ポールのクロワッサン】

これは札駅のステラプレイスでGAPの隣。

【北海道新幹線のお弁当箱】

これはどこだろ?

てかお金が足りない。無理。

そして

【桜が綺麗だね】って

一番聞きたい言葉を胡桃は書き込んでくれた。

それが
一番嬉しくて心が温まって
車の中
大きな声で叫びたくなる私。





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