さくら色した君が好き

【白い恋人だけ買って帰る】

返事を書いて
行って来ますとスタンプを貼ると

行ってらっしゃいのスタンプが返って来た。

「何て書いてた?」

「内緒」

お父さんに聞かれて笑って答える。

「真面目な男の子って聞いたけど、山村君って名前なんだ」

「うん」

「紅葉が嫁に行ったら、山村紅葉だな」

「やめてよ!」

お父さんと車の中で笑ってしまう。

「お父さん?」

「何?」

「私、バスケ部に入っていい?」

「いいよ」
簡単に返事されてしまった。
簡単過ぎてやっぱ笑ってしまう。

Catch Looksもバスケも山村君も大切だけど
胡桃の事も大切よって
今なら胡桃に言える気がする。

車は停留所に到着。

山村君はうちの車を見て緊張して駆け寄り、私よりお父さんに挨拶をした。

お父さんは「よろしくね」って山村君に言い
山村君は「はい」って真剣に返事をした。

何か変な感じ。

予定時間より早めにバスが来て
お父さんに「行って来ます」をしてバスに乗り込む。

さぁ
目覚めると札幌だ。

「俺、ドキドキした」

「なんで?」

「来なかったらどうしょうって」

「来ないと思ってた?」

「いや、絶対来ると思ってた」

ワケわかんない。
< 46 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop