さくら色した君が好き
学校に着いて
胡桃と一緒に歩くと
上級生や新入生がチラチラ見るのがわかる。
生徒会で書記をする
可愛い胡桃は有名人。
そして似てない双子の私と比べて楽しむ。
趣味わりーぞ!
教室前で胡桃と離れると
なぜかホッとする。
そして
ホッとする自分にまた罪悪感。
胡桃は何も悪くないのに
身体が弱いから
支えにならなきゃいけないのに。
ダメな私だよね。
「もうっ!おはよーっ!」
怒りながら教室に入ると親友のちーちゃんに笑われた。
「すごい顔してるよ」
「だって、今日は白のパーカーで来るつもりだったのに、いきなり雪だしー」
「俊太がドームで着てたやつ?届いたの?」
ちーちゃんの目がキラキラしてる。
「そうだよ。ファンクラブ限定販売の高いパーカー」
私はスマホをポケットから出し
昨日撮影しまくったパーカーの画像をちーちゃんに見せる。
大好きなCatch Looksのボーカルである俊太がデザインして、去年のドームツアーで着てたパーカー。
ファンの評判が良くて今年になって販売された商品。