空って、こんなに青かったんだ。
「?????」
よくワカラナイ。今、カントクサンはナンて言った?たしか次の監督はブチョウ?センセイ?
だって、そんなわけないよね?ブチョウ先生は野球をシラナイんダシ、だからこそわざわざ小島監督に臨時で指導をオネガイシタンダシ。
杉山父の縁故も頼みにして・・・・
だけどカントクサンもブチョウ先生も、実に晴れ晴れと、まるで五月の澄み渡った空のように実に爽やかな顔をしている。
このひとたち、自分がいま言ったこと、ブチョウ先生にとっては言われたこと、なのだけれど、の意味をリカイしてるんだろうか?
もしかすると、イイマチガイ?なのでは?
でも、相変わらずふたりとも自信満々の体だ。なにも臆することはない、といった確信とオーラを身にまとっている。
そこでシカタナク、勇士がまた啓太の背中を突っつくわけだ。だって、三年生ならずとも新入部員の一年生だって知ってるからだ、ブチョウ先生が「野球音痴」だってこと。
だから全部員が一堂に不可思議、な顔をしているのだ。
「あの~カントクサン、いまのトコ?もういちどオネガイシマス・・・・」
啓太はカントクサンとブチョウ先生の威風堂々に気おされて恐る恐る、訊いてみた。
「今のトコ?って、ドコダ?」
カントクサンは質問の意味がワカラナイらしい。自分は自信をもって言ったことが、選手には何か不思議なのであろうか?そんな表情だ。
「え~と、次の監督は、のあとのトコ、なんですが・・・・」
ほ~、と言ってカントクサンは顎を撫でた。
ようやく、啓太の質問の趣旨、を理解したらしい。なので、再び自信満々でイイハナッタ。
「オレのあとの監督は、ブチョウ先生だよ!」
選手たちに不思議な安堵感が芽生え、そして次の瞬間、一気にめまいが襲った。
安堵の原因は自分は若年性の難聴ではなかった、ということ。
そしてめまいの原因はまぎれもなく、次期監督がブチョウ先生である、ということにホカナラナイ。
ということで、選手イチドウは今、誰一人残すことなく不安の表情を浮かべていたのだ。すると、さすがに教員免許を持ったブチョウ先生、とっさに子供たちの不安を読み取った。
そしてすかさずフォローに入るわけ。
「みんなも知っての通り、僕は野球に関してはまったくの門外漢です。なので前監督がお辞めになったあとも、引き継ぐことが出来なかった。
なので野球の専門家である小島監督にお願いをしたわけです。しかしみんなも知っての通りカントクサンは残念ながら教員免許をお持ちでないというこももあって、正式の監督就任ではなかった。
これは君たちも知る通りです、このまま小島監督を戴いて予選には出られんわけです。しかし小島監督の手腕と人望、ご人格は選手諸君はもちろんのこと、父兄や学校長、校内でも余すところなく高い評価を得ているわけです。
なんとか小島監督のままで予選を戦えないか?そうずっと考えてました。実は先日、カントクサンとふたりで話をしました。もちろん、次期監督問題についてです。
ところがその時、急に妙案が浮かんだんです。ある意味、トビドウグ?的なものですけどね!」
へ~、そんなもんがアルノ?選手たちはまだまだシンヨウデキナイ、って顔でブチョウ先生を見ていたのだ。しかし聞いてみるとそれは正しくトビドウグでありいやいや、いっそ奇想天外と言ったほうがより近いのであろうと思われる、起死回生のグッドアイデアだった。
ブチョウ先生の説明はこう、だった。
「正式な、う~ん、名前ばかりの、と言ったほうがいいかな。監督はオレがヤル。もちろん、連盟への届け出もそうだ。しかし実際の指導と采配はカントクサンだ!」
つまり、これからはカントクサンは「コーチ」という肩書になって今まで通りに指導する。
そして県大会が始まったらカントクサン、いえいえ、これからはコーチ?は当然のこと、ベンチ入りは出来ないので、球場の自軍ダッグアウト後方の席に座って、そこから采配とサインを出す、というのだ。
そんなことヤッタチーム、アルノ?と、誰もが思ったけど、しかしこれはまさに素晴らしいアイデアではないか!聞いているうちに啓太をはじめ英誠学園の選手たちは
「うぉ~」
「すげ~」
「つぇ~」
「マジっすか?」
などと歓声とも奇声ともつかない雄叫びをあげ始めた。自分たちの考え出した奇策が生徒たちにシンニン?されたことがよほどうれしかったのか、ブチョウ先生はかなり悦に入っている。
実に満足そうだ。なので言わなくてもいい言葉がつい、口をついて出てしまったのだ。
「どうだ稲森、最高のアイデアだろ?ん?」
いきなりカンソウ?を求められたので、拓海はしばし呆気にとられポカっ~としてからボソッとつぶやいてしまった。
「ブチョウ先生が采配を執るんじゃなくて、安心しました」
するとそれを聞いた健大と勇士が吹き出すのをこらえきれずに腹をかかえて爆笑しだしたのだ。
それは一気に円陣を組んでいた選手全員に蔓延し、一年生もついにこらえきれず、グラウンドは笑いの渦となってしまったのだった。
よくワカラナイ。今、カントクサンはナンて言った?たしか次の監督はブチョウ?センセイ?
だって、そんなわけないよね?ブチョウ先生は野球をシラナイんダシ、だからこそわざわざ小島監督に臨時で指導をオネガイシタンダシ。
杉山父の縁故も頼みにして・・・・
だけどカントクサンもブチョウ先生も、実に晴れ晴れと、まるで五月の澄み渡った空のように実に爽やかな顔をしている。
このひとたち、自分がいま言ったこと、ブチョウ先生にとっては言われたこと、なのだけれど、の意味をリカイしてるんだろうか?
もしかすると、イイマチガイ?なのでは?
でも、相変わらずふたりとも自信満々の体だ。なにも臆することはない、といった確信とオーラを身にまとっている。
そこでシカタナク、勇士がまた啓太の背中を突っつくわけだ。だって、三年生ならずとも新入部員の一年生だって知ってるからだ、ブチョウ先生が「野球音痴」だってこと。
だから全部員が一堂に不可思議、な顔をしているのだ。
「あの~カントクサン、いまのトコ?もういちどオネガイシマス・・・・」
啓太はカントクサンとブチョウ先生の威風堂々に気おされて恐る恐る、訊いてみた。
「今のトコ?って、ドコダ?」
カントクサンは質問の意味がワカラナイらしい。自分は自信をもって言ったことが、選手には何か不思議なのであろうか?そんな表情だ。
「え~と、次の監督は、のあとのトコ、なんですが・・・・」
ほ~、と言ってカントクサンは顎を撫でた。
ようやく、啓太の質問の趣旨、を理解したらしい。なので、再び自信満々でイイハナッタ。
「オレのあとの監督は、ブチョウ先生だよ!」
選手たちに不思議な安堵感が芽生え、そして次の瞬間、一気にめまいが襲った。
安堵の原因は自分は若年性の難聴ではなかった、ということ。
そしてめまいの原因はまぎれもなく、次期監督がブチョウ先生である、ということにホカナラナイ。
ということで、選手イチドウは今、誰一人残すことなく不安の表情を浮かべていたのだ。すると、さすがに教員免許を持ったブチョウ先生、とっさに子供たちの不安を読み取った。
そしてすかさずフォローに入るわけ。
「みんなも知っての通り、僕は野球に関してはまったくの門外漢です。なので前監督がお辞めになったあとも、引き継ぐことが出来なかった。
なので野球の専門家である小島監督にお願いをしたわけです。しかしみんなも知っての通りカントクサンは残念ながら教員免許をお持ちでないというこももあって、正式の監督就任ではなかった。
これは君たちも知る通りです、このまま小島監督を戴いて予選には出られんわけです。しかし小島監督の手腕と人望、ご人格は選手諸君はもちろんのこと、父兄や学校長、校内でも余すところなく高い評価を得ているわけです。
なんとか小島監督のままで予選を戦えないか?そうずっと考えてました。実は先日、カントクサンとふたりで話をしました。もちろん、次期監督問題についてです。
ところがその時、急に妙案が浮かんだんです。ある意味、トビドウグ?的なものですけどね!」
へ~、そんなもんがアルノ?選手たちはまだまだシンヨウデキナイ、って顔でブチョウ先生を見ていたのだ。しかし聞いてみるとそれは正しくトビドウグでありいやいや、いっそ奇想天外と言ったほうがより近いのであろうと思われる、起死回生のグッドアイデアだった。
ブチョウ先生の説明はこう、だった。
「正式な、う~ん、名前ばかりの、と言ったほうがいいかな。監督はオレがヤル。もちろん、連盟への届け出もそうだ。しかし実際の指導と采配はカントクサンだ!」
つまり、これからはカントクサンは「コーチ」という肩書になって今まで通りに指導する。
そして県大会が始まったらカントクサン、いえいえ、これからはコーチ?は当然のこと、ベンチ入りは出来ないので、球場の自軍ダッグアウト後方の席に座って、そこから采配とサインを出す、というのだ。
そんなことヤッタチーム、アルノ?と、誰もが思ったけど、しかしこれはまさに素晴らしいアイデアではないか!聞いているうちに啓太をはじめ英誠学園の選手たちは
「うぉ~」
「すげ~」
「つぇ~」
「マジっすか?」
などと歓声とも奇声ともつかない雄叫びをあげ始めた。自分たちの考え出した奇策が生徒たちにシンニン?されたことがよほどうれしかったのか、ブチョウ先生はかなり悦に入っている。
実に満足そうだ。なので言わなくてもいい言葉がつい、口をついて出てしまったのだ。
「どうだ稲森、最高のアイデアだろ?ん?」
いきなりカンソウ?を求められたので、拓海はしばし呆気にとられポカっ~としてからボソッとつぶやいてしまった。
「ブチョウ先生が采配を執るんじゃなくて、安心しました」
するとそれを聞いた健大と勇士が吹き出すのをこらえきれずに腹をかかえて爆笑しだしたのだ。
それは一気に円陣を組んでいた選手全員に蔓延し、一年生もついにこらえきれず、グラウンドは笑いの渦となってしまったのだった。