初愛むすび



しばらく経って、整列。



そう、コーチが来た。




男には女のコーチ。


女には男のコーチ。




…あたしは女ひとりだから、相手ももちろん男ひとり。



…担当は、一ノ瀬っていう、長身の人。




背は160はありそうで、…クールっぽい。



しかもカッコイイ私服に、なぜか見とれてるあたし。




「よろしく。…えっと…新名?」



「あ、はい。 こちらこそ…よろしくお願いします。先輩」




…軽く挨拶をして準備体操をする



…先輩、陸上 上手そう…




「あはは。」



なぜか笑う先輩。




「この部、女ひとり?」




「え…あ。はい」



「……そっか。あ、オレもここの部活で男ひとりだったよ。
さみしくない? 着いていけない奴らと絡むの」




「あ、はい けどマネージャーもいるんで… 異性の人と仲良くするのも楽しいから」



この人、ここの陸上だったんだ…



って、あたりまえか。




「あーたのしそ。 オレんとき、マネージャーいなかった」



へぇ。



まあ、あたしは今年から始めたからわかんないや…




「新名って 2年?」



「あ、はい」
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