初愛むすび
『しつこいなぁ…!
悩んでないし、なんにもないから!』
『うそつけ。
…オレに八つ当たりすんなや』
…。
だって…
イライラしちゃうんだもん。
イライラして…。
ほっといてほしいんだもん。
『今日、帰り道。犬のうんこ踏んだだろ』
…!?
『なんで知っ』
恥ずかし───ッ!!
『見てたからな。
…なんかあんねんやったら、聞くで?』
『いらん! あたしは…あたしは、あんたの幼なじみやってるけど、絶対頼られんの知ってるから! じゃ』
電話を切って、ため息をついた。