初愛むすび



「あー 慎!!祐!!こっち〜」


七美が手をひらひらとさせて、あたしら2人を呼ぶ。



今は昼休み。

昼食前に運動場で走っているのはいつものことだ。


…あたしたちは、七美の近くに寄って、席に座る。



「んー? 高橋は走らんのん?」


祐は、七美に近寄って視線を合わせる。



「や、やだ…っ くさいよ」



七美は、鼻をつまんで避ける。


「ん? なんや、くさいって……てか、質問に答えろや」



「っていうか、近づかんといて!!くさい、めっちゃくさいっ」




この2人の会話で笑いっぱなしのあたし。


「…っていうか、慎…笑いすぎ」



祐はつられ笑いで七美は苦笑。



「あは…はははっ、い…いや〜コンビいいからさっ」



「な、なに言っ…」


頬を赤らめる七美。



…恋してるんだ…祐に。
(あたしじゃなくて七美が…っ)
< 3 / 21 >

この作品をシェア

pagetop