初愛むすび
「あー 慎!!祐!!こっち〜」
七美が手をひらひらとさせて、あたしら2人を呼ぶ。
今は昼休み。
昼食前に運動場で走っているのはいつものことだ。
…あたしたちは、七美の近くに寄って、席に座る。
「んー? 高橋は走らんのん?」
祐は、七美に近寄って視線を合わせる。
「や、やだ…っ くさいよ」
七美は、鼻をつまんで避ける。
「ん? なんや、くさいって……てか、質問に答えろや」
「っていうか、近づかんといて!!くさい、めっちゃくさいっ」
この2人の会話で笑いっぱなしのあたし。
「…っていうか、慎…笑いすぎ」
祐はつられ笑いで七美は苦笑。
「あは…はははっ、い…いや〜コンビいいからさっ」
「な、なに言っ…」
頬を赤らめる七美。
…恋してるんだ…祐に。
(あたしじゃなくて七美が…っ)