常務の秘密が知りたくて…
「常務なら誘う相手には困らないと思いますが」
仕事でもプライベートでもだ。
「そうだな。でも俺はお前を誘いたいんだ」
きっとそんなことを言われたら勘違いしてしまう女子は大勢いるだろう。しかし、そこには特別な感情なんて何も伝わって来ず私は開いた口が塞がらなかった。何をそこまでして私を誘うのか。
「どうした? 彼氏でもいるのか?」
そこを気にかけてもらって有難いような悲しいような。残念ながらそんな存在はいない。ここでいると嘘をついてしまえばいいのかもしれないが、それはそれで気が引けたので
「そういうわけではないんですが、予算的に難しくてですね」
予約していたレストランはとてもではないが自分で足を運べるような雰囲気でも価格帯でもない。正直に物申すと常務は脱力した表情になった。
「この状況で俺は割り勘を要求するような男に見えるのか?」
「ですが、私は秘書で常務にご馳走になる謂れは」
私は仕事の関係者でもなければ、ましてや恋人でもない。プライベートに付き合ってご馳走になるほどの関係なんかではもちろんない。それなのに
「とりあえずお前と話がしたいんだ。自分の秘書のことを知っておきたいのは当たり前だろ」
私の複雑な表情を見て常務はもっともらしいことを告げた。そう言われるとなかなか断りづらくなってくる。
「ほら、もう仕事に戻れ。俺も会議がある」
手の甲をこちらに向けて指先を軽く振ると常務は資料を持って会議に行く準備を始める。こうしてその場で話は強制終了され、お店のキャンセルもすることなく押されるままに常務と食事することになったのだ。
仕事でもプライベートでもだ。
「そうだな。でも俺はお前を誘いたいんだ」
きっとそんなことを言われたら勘違いしてしまう女子は大勢いるだろう。しかし、そこには特別な感情なんて何も伝わって来ず私は開いた口が塞がらなかった。何をそこまでして私を誘うのか。
「どうした? 彼氏でもいるのか?」
そこを気にかけてもらって有難いような悲しいような。残念ながらそんな存在はいない。ここでいると嘘をついてしまえばいいのかもしれないが、それはそれで気が引けたので
「そういうわけではないんですが、予算的に難しくてですね」
予約していたレストランはとてもではないが自分で足を運べるような雰囲気でも価格帯でもない。正直に物申すと常務は脱力した表情になった。
「この状況で俺は割り勘を要求するような男に見えるのか?」
「ですが、私は秘書で常務にご馳走になる謂れは」
私は仕事の関係者でもなければ、ましてや恋人でもない。プライベートに付き合ってご馳走になるほどの関係なんかではもちろんない。それなのに
「とりあえずお前と話がしたいんだ。自分の秘書のことを知っておきたいのは当たり前だろ」
私の複雑な表情を見て常務はもっともらしいことを告げた。そう言われるとなかなか断りづらくなってくる。
「ほら、もう仕事に戻れ。俺も会議がある」
手の甲をこちらに向けて指先を軽く振ると常務は資料を持って会議に行く準備を始める。こうしてその場で話は強制終了され、お店のキャンセルもすることなく押されるままに常務と食事することになったのだ。