常務の秘密が知りたくて…
「何、馬鹿なことを」
「私は本気です!」
頭を振って顔を背けるとエリスは必死に訴えてきた。
「女の細い腕で剣が扱えるとでも? 随分なめられたものだな、俺たちも」
「そんなつもりはありません。ただ私はサラ王女をお守りしたいだけなんです」
横目でエリスを見ると、勢いはなくなり俯いている。そして細々と語り始めた。
「最近、近隣の国々との関係が緊張状態なのはヒューゲル隊長もよくご存知でしょう? 先日は隣国からの間者が捕われたところです。国の中だから安全だとはもう限らない」
それはエリスの言う通りだった。ここ最近の不穏な空気は遠征の回数にも比例している。位置と元々持っている資源の多さから他国同士の争いに、この小さい国は巻き込まれようとしている。
「お願いです。ヒューゲル隊長がお忙しいのも重々承知しています。ほんの、ほんの少しでかまいません。いざというときサラ王女をお守り出来るだけの力が欲しいんです」
必死で懇願するエリスに俺はしばし考えを巡らせた。これは国のためになることなのか。
「わかった。ただし俺も暇ではないんだ。とっとと覚えないと承知しないぞ」
「はい、ありがとうございます」
そこで花が開いたようにエリスは笑った。とてもではないが、そんな彼女が剣を握るなんて想像がつかない。
「次の遠征は十日後だ。それまでは大体この時間に用事がなければここにいる」
「わかりました。どうぞよろしくお願いいたします」
それがあいつと、エリスとの出会いだった。
「私は本気です!」
頭を振って顔を背けるとエリスは必死に訴えてきた。
「女の細い腕で剣が扱えるとでも? 随分なめられたものだな、俺たちも」
「そんなつもりはありません。ただ私はサラ王女をお守りしたいだけなんです」
横目でエリスを見ると、勢いはなくなり俯いている。そして細々と語り始めた。
「最近、近隣の国々との関係が緊張状態なのはヒューゲル隊長もよくご存知でしょう? 先日は隣国からの間者が捕われたところです。国の中だから安全だとはもう限らない」
それはエリスの言う通りだった。ここ最近の不穏な空気は遠征の回数にも比例している。位置と元々持っている資源の多さから他国同士の争いに、この小さい国は巻き込まれようとしている。
「お願いです。ヒューゲル隊長がお忙しいのも重々承知しています。ほんの、ほんの少しでかまいません。いざというときサラ王女をお守り出来るだけの力が欲しいんです」
必死で懇願するエリスに俺はしばし考えを巡らせた。これは国のためになることなのか。
「わかった。ただし俺も暇ではないんだ。とっとと覚えないと承知しないぞ」
「はい、ありがとうございます」
そこで花が開いたようにエリスは笑った。とてもではないが、そんな彼女が剣を握るなんて想像がつかない。
「次の遠征は十日後だ。それまでは大体この時間に用事がなければここにいる」
「わかりました。どうぞよろしくお願いいたします」
それがあいつと、エリスとの出会いだった。