リーダー・ウォーク
愛らしいチワワと、まだまだ赤ちゃんの猫。そして、稟。
松宮家の兄弟は少しくらいは仲がよくなるだろうか。
「難しい……でも、来週楽しみだ」
来週は献立を考えたり、お風呂の準備を面倒でもしなくてもいい。
稟は松宮家から部屋に戻りその辺に適当にゴロンと横になる。
彼氏さんは稟を送ってそのままご出勤。チワ丸は大人しくお家でお留守番。
潤んだ瞳で玄関までついてきて寂しそうに見つめてくるのを、
何時も我慢して会社に出ているらしい。
『稟。いきなりでごめんね、その。今いい?』
「うん。いいよ」
またウトウトと眠り始めた所で携帯が震えて、母親からだった。
何時になく元気がない様子で何かあったのかと不安になったけれど。
『お父さんが、……松宮さんに会いに行くっていい出して』
「え。そ。そうなの?」
『うん。話をして、暫くは黙ってたんだけど。やっぱり気になるみたいで。
それに、貴方もいい歳だし。それに、お父さんは帰ってくるって思ってたから』
「それは。そう。だね」
独立して、実家でトリミングサロンを開くのは夢。だった。
その資金を準備してくれているのは両親。
稟も貯金をしたいとは思っても給料が低いので中々できず。
『もし、松宮さんと結婚ってなると。貴方は都会にずっと行ってしまう訳だから。
お父さんも心配というか、不安というか、……ねえ?』
「わかった。話をしてみる。何時なら都合いい?」
『それは、貴方のたちの休みに合わせる』
「わかった」
最近では、松宮と一緒にプロジェクトに参加してみたり。
その延長で彼の支援で何時かお店を、なんて夢を見たりしていた。
けれど、そんな話を知るはずもない両親は心配しているだろう。
結婚するのか、それとも帰ってくるのか、それとも?
『お母さんは貴方のやりたいようにやればいいと思うんだけどね』
「ちゃんと説明してないからね。一度家族で話しなきゃね」
『そう、しようか』
気が重いけど、親の言うことも理解できる。これは、しょうがない。
松宮は軽く結婚を考えてるとか言うけど、いざ改まった場で両親を前にして
きちんとした言葉と成約を迫ったら、もしかしたら嫌になるかも。
彼を信じている、信じていたい、けれどもしもも捨てられない。
「……当たって砕けたら、海外でも留学しようかなぁ」
その日は何処へも行かず。もじもじ、ウジウジしながら過ごした。
せっかくの休みだから掃除とか買い物とか、やりたいことはあったのに。
夜になったら彼に電話をしなければ。それで、日にちを確認する。
彼の言葉を半信半疑で、なんとなーくで今まで来たけど。
そろそろ、ですか?
「死にそうな声で電話かけてくるから慌てたろ」
「死んでないから電話してるんです。というか、来なくてもいいのに」
「そういう言い方する?俺はあんたが心配で」
「崇央さん。私はもういい歳の大人ですよ」
うだうだしながら夕方になって、ご飯を準備しながら時計を見て松宮に電話。
あまり気が乗らないからか、やる気のない言い方になってしまって。
それを心配したらしい松宮が部屋に押しかけてきた。チワ丸は居ない。
どうやら家に帰るよりも急いでこっちに来てくれたようだ。
「何その可愛くない言い方。稟は可愛げないけど、そこが可愛いけど。
今のは本気で可愛くないぞ」
「……ごめんなさい」
「それで。何。何があった」
「話をちゃんと聞かないでいきなり来るから」
「いいから。何だよ」
夕飯のうどんを机に置いて席に着くと相手も正面に座る。
真面目な顔で、じっとこちらを見つめる松宮。
稟としてはお腹がすいているので、そんな見つめてほしくないのだが。
「……父親が、崇央さんに会いたいって」
「わかった。で。何時」
「何時でも。私達の都合のいい日で」
「そうか。そうだな。でも、都合がいい日ってなるとな」
「忙しいでしょうし、1時間くらい頂けたらそれで」
「父親が来るんだろ。俺を見に」
「そう。ですけど」
「わかった。きちんと時間作る。それで、あんたの父親フレンチとか好き?
やっぱ和食とかのがいいよな?あ。でも、ここは寿司とかか?」
「あぁ。お腹すくぅ……」
「稟。チワ丸の散髪って」
「アレ以上何処を切るんですか?大丈夫。崇央さんもチワちゃんも素敵です」
「稟に田舎に帰ってほしくないって、あんたの父親に言うから」
「……」
「そうだ。ちょうどいい、来週稟が家に来るだろ?ついでに両親も来てもらおう。
でさ、俺のこともわかってもらって。チワ丸も紹介できる、いい。そうれがいい」
「お父さん倒れないかなぁ……」
もう我慢できないのでのびてきたうどんを食べる稟。
松宮は何やら色々とプランを述べているが、どうなることやら。
松宮家の兄弟は少しくらいは仲がよくなるだろうか。
「難しい……でも、来週楽しみだ」
来週は献立を考えたり、お風呂の準備を面倒でもしなくてもいい。
稟は松宮家から部屋に戻りその辺に適当にゴロンと横になる。
彼氏さんは稟を送ってそのままご出勤。チワ丸は大人しくお家でお留守番。
潤んだ瞳で玄関までついてきて寂しそうに見つめてくるのを、
何時も我慢して会社に出ているらしい。
『稟。いきなりでごめんね、その。今いい?』
「うん。いいよ」
またウトウトと眠り始めた所で携帯が震えて、母親からだった。
何時になく元気がない様子で何かあったのかと不安になったけれど。
『お父さんが、……松宮さんに会いに行くっていい出して』
「え。そ。そうなの?」
『うん。話をして、暫くは黙ってたんだけど。やっぱり気になるみたいで。
それに、貴方もいい歳だし。それに、お父さんは帰ってくるって思ってたから』
「それは。そう。だね」
独立して、実家でトリミングサロンを開くのは夢。だった。
その資金を準備してくれているのは両親。
稟も貯金をしたいとは思っても給料が低いので中々できず。
『もし、松宮さんと結婚ってなると。貴方は都会にずっと行ってしまう訳だから。
お父さんも心配というか、不安というか、……ねえ?』
「わかった。話をしてみる。何時なら都合いい?」
『それは、貴方のたちの休みに合わせる』
「わかった」
最近では、松宮と一緒にプロジェクトに参加してみたり。
その延長で彼の支援で何時かお店を、なんて夢を見たりしていた。
けれど、そんな話を知るはずもない両親は心配しているだろう。
結婚するのか、それとも帰ってくるのか、それとも?
『お母さんは貴方のやりたいようにやればいいと思うんだけどね』
「ちゃんと説明してないからね。一度家族で話しなきゃね」
『そう、しようか』
気が重いけど、親の言うことも理解できる。これは、しょうがない。
松宮は軽く結婚を考えてるとか言うけど、いざ改まった場で両親を前にして
きちんとした言葉と成約を迫ったら、もしかしたら嫌になるかも。
彼を信じている、信じていたい、けれどもしもも捨てられない。
「……当たって砕けたら、海外でも留学しようかなぁ」
その日は何処へも行かず。もじもじ、ウジウジしながら過ごした。
せっかくの休みだから掃除とか買い物とか、やりたいことはあったのに。
夜になったら彼に電話をしなければ。それで、日にちを確認する。
彼の言葉を半信半疑で、なんとなーくで今まで来たけど。
そろそろ、ですか?
「死にそうな声で電話かけてくるから慌てたろ」
「死んでないから電話してるんです。というか、来なくてもいいのに」
「そういう言い方する?俺はあんたが心配で」
「崇央さん。私はもういい歳の大人ですよ」
うだうだしながら夕方になって、ご飯を準備しながら時計を見て松宮に電話。
あまり気が乗らないからか、やる気のない言い方になってしまって。
それを心配したらしい松宮が部屋に押しかけてきた。チワ丸は居ない。
どうやら家に帰るよりも急いでこっちに来てくれたようだ。
「何その可愛くない言い方。稟は可愛げないけど、そこが可愛いけど。
今のは本気で可愛くないぞ」
「……ごめんなさい」
「それで。何。何があった」
「話をちゃんと聞かないでいきなり来るから」
「いいから。何だよ」
夕飯のうどんを机に置いて席に着くと相手も正面に座る。
真面目な顔で、じっとこちらを見つめる松宮。
稟としてはお腹がすいているので、そんな見つめてほしくないのだが。
「……父親が、崇央さんに会いたいって」
「わかった。で。何時」
「何時でも。私達の都合のいい日で」
「そうか。そうだな。でも、都合がいい日ってなるとな」
「忙しいでしょうし、1時間くらい頂けたらそれで」
「父親が来るんだろ。俺を見に」
「そう。ですけど」
「わかった。きちんと時間作る。それで、あんたの父親フレンチとか好き?
やっぱ和食とかのがいいよな?あ。でも、ここは寿司とかか?」
「あぁ。お腹すくぅ……」
「稟。チワ丸の散髪って」
「アレ以上何処を切るんですか?大丈夫。崇央さんもチワちゃんも素敵です」
「稟に田舎に帰ってほしくないって、あんたの父親に言うから」
「……」
「そうだ。ちょうどいい、来週稟が家に来るだろ?ついでに両親も来てもらおう。
でさ、俺のこともわかってもらって。チワ丸も紹介できる、いい。そうれがいい」
「お父さん倒れないかなぁ……」
もう我慢できないのでのびてきたうどんを食べる稟。
松宮は何やら色々とプランを述べているが、どうなることやら。