稀
空は父と母と兄との四人家族だった。
酒癖が悪かった、父は毎日のように酒を飲み
母に暴力をふるっていた。
小学二年生の時、学校が終わり
いつものように家に帰ると
家の中は何かを感じさせる静かさだった。
空 「おかぁさん、ただいま?」
蛇口から落ちる水音、
リビングにつながる廊下を歩く自分の足音だけが響く
リビングの扉を開けるとーー、
「おかぁさ、、、ん」
天井に繋がる長い紐に
繋がれた
青白くなった、顔のおかあさん
荒らされた、部屋には
体中刺された、血だらけのーおとうさん。
そして
小さな小さな紙切れが一つ。
「 陽太、空 ごめんなさい
おかあさんとおとうさんもう楽になるね」
急に夢から現実に引き戻される。
空「またおんなじ夢、、、、」
あの事件があった日
おかあさんは、お父さんを殺して
自分も自殺をした。
私と陽太を残して楽になりたかったんだとろう。
今私と陽太はバイトをしながら
二人で暮らしている
陽太は私たちが住んでいる市では
とても有名な高校に通っていて
今高校は三年生でとても優しいお兄ちゃん。
私はごく普通な高校に入学し
現在高校一年生。
陽太「 空、学校行く時間だぞー?
そ、ら??また嫌な夢でも見たのか?」
空 「見てないよ!大丈夫。
学校いく準備するね!」
陽太「あんま思いつめるなよ。
空が元気ないと俺も元気なくなるからな」
空「ごめん陽太!
私は元気だから!!」
陽太「 そか!ならよかった。
今日は夜までバイトあるから帰り遅くなる
夜ご飯ちゃんとたべろよ!」
空 「わかってるー陽太、遅刻するよ!!」
陽太「あっやばい!いってくるわ!」
空「いってらっしゃい」