さよならのかわりに…
いた!
「ほっしー!!」
ドーン!
私は勢いよくほっしーに突撃した。
「相変わらず元気なことで。」
「えへへ。」
今日もいつもと変わらず、同じことを言われた。
このやり取りはいつものこと。
毎日、私が突進して、優くんは避けるか受け止める。
そして必ず、元気だねって言う。
それが当たり前で、もうみんなもいつものかって感じで何も言ってこない。
「あれ、ジャージは?」
「え?持ってきてないよ?」
ほっしーの質問に対して、当たり前のように持ってきてないって言う私。
絶対周りから見たら、馬鹿って思われてると思う。
観月高校では掃除の時間、必ずジャージのズボンを履くことになっている。
そして、それをチェックするために週番委員が全掃除場所にいるのだ。
「次忘れたら、放課後居残りだからね。」
「別にほっしーが来てくれるなら、全然いいもん♪」
私はにっこり返した。
「え、やだよ。
放課後なんて来たくないし。
もう一人の週番に任せて帰るよ。」
って、ほっしーがすごく嫌そうに言うから
そんな顔されたら、さすがに嫌われたくないから
次はジャージ持ってこなきゃなって思う。
「わかったよ。
明日は持ってくるね。」
「それでよし。」
私が素直にわかったって言ったせいか、よしって言って頭を撫でてきた。
そんなことされると少しだけ赤くなっちゃう。
もう。ほっしーはずるいよ。
心の中で思うだけだけど、本当にずるいって思った。