【続】期間限定ダーリン
「これはあたしからです。」

そう言って渡したのは、マスカットの甘酸っぱい香りがする香水。いつも慶吾さんがつけている香水も好きだったけれど、こっちのほうが慶吾さんには合っているような気がした。


「ありがとう。」


きっと彼は明日からこの香水をつけてくれるはず。だって慶吾さんはそういう人だもん。あたしの気持ちをすぐ見抜いてしまう。


慶吾さんをあたしでいっぱいにしたい――。



「ひゃあっ!!」


なんとなくソファーに座ってケーキをつまんでいると、急に慶吾さんにお姫様抱っこされてしまった。


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