【続】期間限定ダーリン
俺は小さく息を呑んだ。


「でも、こんなの見せられちゃったらあきらめるしかねえよな。」


涼ちゃんは苦笑いして、一言

「美玖、デートのじゃましてごめんな?」

と言い残し、去っていってしまった。


きつく抱きしめていた腕を緩め、美玖を離す。さっき、俺は「帰る。」なんて言ってしまっていたものだから、二人並ぶけれど、どことなくぎこちない。


「行くぞ。」

そう言ってみたものの、美玖がついてきてくれる自信がない。


さっきまで涼ちゃんにあんなこといっていたのに、後ろを振り返れる勇気なんて、これっぽっちもない。
< 68 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop