【続】期間限定ダーリン
「桜。俺は離れないし、消えたりしない。だから、ちょっと手ぇ離して?」


思ったより彼の声のトーンが優しかったのと、彼が私の心をわかってくれていたことにびっくりして、私はすぐに手を離した。


莉央は


「ありがと。」

とつぶやいて車の助手席のドアを開けた。



「本当は今日、伝えるつもりだったんだ。だけど、車の中に忘れてしまってたんだ。」

ちょっと照れくさそうに髪をかきあげた後、莉央は私に小さな箱を渡した。


「これって・・・!?」

< 91 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop