俺様社長の恋の罠

それが会社の、社長の、崇人さんのためならなおさら……自分のベストを尽くして職務を全うするだけだ。


ある日、いつものようにパソコンに向かってキーボードを叩いていると珍しく慌てた様子で崇人さんが社長室から出てきた。


どうしたのかと見守っていると、私をチラッと見た崇人さんはコソコソと清水さんに何事か耳打ちしてる。


「頼んだぞ、清水」


そう言って社長室に戻っていく崇人さんの背中を見送ってから清水さんに視線を戻すと清水さんは私を見てニコッと笑う。


「羽山さん、ちょっと私と来ていただけますか」


そう言われて清水さんに続いて秘書課を出ると清水さんは給湯室に入った。


どうしたんだろう。コーヒーが飲みたいなら秘書課にもコーヒーメーカーがあるのに。


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