俺様社長の恋の罠

不思議に思って清水さんを見ているとそんな私に気付いた清水さんが笑みを深くした。


「今、崇人様から頼まれまして。急に大高建設の社長が崇人様に会いに来られたようです」


大高建設って、今、うちが抱えてる新都市プロジェクトのパートナー企業だよね。


あそこの社長さんもまだ若くてやり手だって噂は聞いてるけど、会う予定はなかったはずだ。


「大高建設の社長の雄吾様は崇人様と高校、大学の同級生ですからね。親友といえる間柄です。近くまで来たから寄ったという感じでしょうか」


そう言ってふふっと笑って、清水は私を横目で見る。


「崇人様もそろそろわがままをやめていただかないと。それと、あなたも……ご自分の魅力をもう少し理解された方がいい。でないと崇人様が大変ですから」


「……はい?」


清水さんの言葉の意味がよく分からない私は首を傾げるが……清水さんは笑っているだけでその後は何も言わずコーヒーを入れはじめる。


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