俺様社長の恋の罠

それを見てますます不安になってしまう私の顔を大高社長が覗きこんでくる。


「羽山ちゃん本当にかわいいね。ねえ、今度俺と食事行かない?あ、携帯番号教えてよ」


距離を詰めながらそう言ってくる大高社長に私はたじろいだ。


なんか、この人苦手かも。なんか軽そうだし。


思わず一歩下がってしまった私の前に広い背中が現れる。


「雄吾、やめろ。羽山はダメだ」


私を隠すようにして大高社長の前に立った崇人さんがそう言う。


「え?なんで?」


「俺のだからだ。羽山は俺の恋人だ」


不思議そうにそう聞いた大高社長への返答に驚いて一瞬、息が止まった。


恋人って人に言われるの初めてだ。ちょっと嬉しいけど、大丈夫なのかな。


少しの間、社長室は沈黙に包まれる。沈黙を破ったのは、大高社長だった。


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