俺様社長の恋の罠

「いい加減、わがままはやめていただいて。羽山さんにも色々と知っておいてもらった方がいいと思います。結婚するのなら尚更です」


け、結婚!?


驚く私に見向きもせず崇人さんは清水さんに食ってかかる。


「清水、お前!俺より先にプロポーズするな!」


プロポーズ!?何これ、一体何の話をしてるんだろう。


「してませんよ。ただ奥様になられるのだから旦那様のお仕事を知っておいてもいいでしょう。羽山さんなら内助の功以上の働きをしてくれるでしょう。崇人様の右腕となって」


え、何なんだろう。全然頭がついていかない。清水さんは何を言ってるんだろう。


「羽山さんの作る資料は取引先にも非常に評判がいいんです。取引先に直接出向いてどういうものが求められているのか知った方がよりよいものができると思いますし、それは我が社の大きな利益に繋がるかと」


正論、な気がする。崇人さんも反論できないみたいだし……。


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