俺様社長の恋の罠

すごい怖い顔で清水さんの事を睨んでるけど、清水さんは気にもしてないみたいだ。


「それを、羽山さんを他の男と接触させたくないという理由で外回りには連れて行かないなんて。片想いの時ならまだしも相思相愛になったのだからもう少し広い心を持てばいいものを。いつまでわがままを通すおつもりなんでしょうねぇ」


え、外回りに連れて行ってもらえないのってそういう理由だったの?


崇人さんを見ると、照れたように頬を染めて目をそらしてしまった。


「それとね、羽山さん」


崇人さんを厳しい言葉で黙らせた清水さんがいつもの穏やかな笑顔で私の手をぎゅっと握る。


「あなたも自覚がなさすぎる。先程も言いましたが、もう少しご自分の魅力を理解された方がいい。あなたは魅力的です。すごく、魅力的です。私もあと三十……いや、二十若ければ口説いていました」


く、口説いてって。驚きすぎて固まったままの私を見て清水さんがニッコリと笑う。


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