俺様社長の恋の罠
それから珍しく弱気な、甘えるような目で私を見てくる。
崇人さんの滅多に見れないこういう顔に弱い私の胸がキュンとしてしまう。
「美月、俺のこと嫌いになる?公私はしっかり分けるとか言ってたのに、そんな理由で仕事に私情を挟んで。最低だって思う?」
不安そうなその声に私はすぐに首を横に振った。
確かに少し寂しかったけど、崇人さんの独占欲は私にとっては嬉しいものだ。
そんな私を見て崇人さんはホッとしたのか肩の力を抜いて息を吐いた。
それから私の身体を引き寄せて抱きしめる。
「た、崇人さん。仕事中です」
抱きしめられて否応なく心拍数が跳ね上がる。
「昼休みってことで多目に見て。くそ、清水のせいで予定が狂った。美月……」
名前を呼んで崇人さんは私の頬を両手で包み込む。