俺様社長の恋の罠

崇人さんの優しい手で触れられると愛されていることを実感できて、とても幸せな気持ちになる。


崇人さんの手に自分の手を重ねた私を見て、崇人さんは笑った。


「俺と結婚してほしい」


崇人さんのその言葉に、驚いて小さな息が漏れた。


「本当は来月の美月の誕生日に言うつもりだったんだけど。清水め……。俺の両親にはもう話してあって、了解ももらってる。美月にプロポーズしたらすぐに色々と進める予定だった」


驚きすぎて目を見開いたまま何も言えない私を見つめて、崇人さんは困ったように笑う。


「職場でプロポーズとかロマンもへったくれもないけど、これは清水のせいだから。それに、ここは俺達が初めて繋がった場所だから……まぁ、特別な場所と言えなくはないだろ?」


ああ、確かにそうだ。ある意味ここは私達の始まりの場所なんだな。


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