俺様社長の恋の罠

もう何回もされてるけどいまだに慣れないお姫さま抱っこをして社長室に入りドアに鍵をかけた崇人さんは例の応接セットのソファーに私を下ろす。


そのまま覆いかぶさってきて私のスーツのボタンに手をかける崇人さんに驚いて思わずその手を掴んだ。


「た、崇人さん。仕事中ですけど、何をしようとしてるんですか」


「分かってるくせに。昼休みってことでいいだろう」


そう言って崇人さんが首筋に唇を這わせる。


よ、よくない。それに午後から青木商事に行くことになってるのに。


「ですが、社長。予定が……」


仕事モードになってしまった口調に崇人さんが不満そうな顔をする。


「結婚の約束をして愛を誓いあったんだから、全部欲しくなるのは当然だろう?大丈夫だよ。俺もこう見えて社長だから、ちゃんと間に合わせるから」


そんなこと誇らしげに言わないでほしい。この人が言うなら絶対そうなんだろうけど、でも。


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