俺様社長の恋の罠

そんな、秘書課の仕事にも慣れた始めた頃だった。


仕事に一区切りつけた私は帰ろうと身支度をする。


清水さんと社長は外に出ていることが多くて、帰るときは大抵一人だ。


電気を消してエレベーターに乗った私は、一階のボタンを押す。


地上に下がっていく数字を見ていたら、途中でエレベーターが止まった。


扉が開いてエレベーターに乗ろうとした人物が、私を見て笑顔になる。


「おう、羽山じゃん。お疲れ」


そう言ってエレベーターに乗ってきたのは眞木で、私を見て笑顔を見せる。


その笑顔にドキドキして、でもそんな自分を隠して私は眞木に微笑みかける。


「お疲れ、眞木」


そう言った私に眞木は笑みを深くする。