俺様社長の恋の罠
「気持ちよかった?蕩けそうな顔してる」
そう言って私の手を握って社長室に入った九条社長は、社長室の鍵を閉めて私をドアに押しつける。
「羽山、なぐさめてやろうか?」
そう言われて、拒否しようとする私の唇を社長が塞ぐ。
ずるい、と思った。
社長のキスは、どうしようもなく気持ち良くて。私の抗う気持ちを根こそぎ奪ってしまう。
「羽山、おいで」
そう言って社長が手を差し伸べる。
私は、自分の意志でその手をとった。
何も考えたくなかった。さっきみたいに、真っ白になりたいと思った。
ずるい私は、眞木が結婚すると言った事実から目を背けたくて、社長のことを利用したんだ。
社長室の応接セットのソファーに押し倒されて、また唇が重なった。
社長の舌に夢中で応えていると、やっぱり気持ち良くて頭が真っ白になる。