俺様社長の恋の罠

あんなことがあっても私と社長の関係は変わらなかった。


今まで通り、そう顔を合わせることもなく私は通常の業務をいつも通りこなしていた。


眞木のことを考えると必然的にあの日の記憶まで甦ってしまうのでなるべく考えないようにしてた。


その日も私は依頼された資料を作成すべくディスクに向かっていた。


キーボードを叩きながらパソコンの画面を見ていた私は、清水さんが立ち上がるのに気付いて顔をあげた。


「清水さん、帰るんですか?」


そう聞いた私に清水さんはにっこりと微笑む。


「ええ、今日は妻の誕生日ですので。崇人様には許可をいただいています」


「そうなんですか。なんだか素敵ですね」


清水さん愛妻家なんだな。そう思って微笑む私に、清水さんもニコッと笑う。


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