俺様社長の恋の罠

顔をあげて社長の顔を見ると、笑いながら私を見ている。


「いや、さすが清水だな。ありがとう、コーヒーはそっちに置いておいてくれ」


そう言って社長は例の応接セットを指差す。


わざとではないと思うけど、そう思いつつテーブルにコーヒーののったお盆を置いて振り返ると、社長がじっと私を見ていてドキッとする。


「羽山、ちょっと来て」


そう呼ばれて、私は社長に近付いた。


仕事のことで、何か確認したいことがあるんだろうと思った。


「何か書類に不備が……っ!」


近付いた私の腕を社長が引っ張り、私はバランスを崩して社長の胸に倒れこんだ。


そのまま腰を引き寄せられ、私は社長の上に跨がるようにして座っている。


恥ずかしすぎる体勢に離れようとするけど、社長が私の腰をがっちり掴んでいて離れることはできなかった。


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