俺様社長の恋の罠
なんであの人には分かってしまうんだろうな。
隠すことが変に上手くて、感情を表に出すことが苦手な私のちょっとした変化に社長は絶対に気付いてくれる。
そして私も気付かなかった私が心の奥底で求めていた言葉を、優しさをくれるんだ。
辛い時とか、苦しい時とか、悲しい時とか、なんだかんだ言ってこの人は私の近くにいて私はこの人に救われてる。
優しく見つめる手に、触れる手に、私はたくさん救われて癒されてきた。
勘違いしてしまうほどに、社長は私を優しく包み込んでくれていた。
社長の香りがするスーツの上着を、私はぎゅっと握った。
ああ、すごく落ち着く。社長に抱きしめられてるみたい。
そう思いながら、私は社長の叩くキーボードの音を子守唄にいつしか眠ってしまっていた。