俺様社長の恋の罠

なんか、あったかい。


髪を撫でてくれる手が、気持ちいい。


そう思いながら、私は目を開いた。


「起きたか」


ようやく焦点のあってきた目に、社長が私を見下ろしてる姿が目に入って私は慌てて起きようとした。


それを社長が押し留める。


「お前は、急に起きるなって。起きたなら、送ってくけど。ゆっくり起きろ」


そう言われてゆっくり起き上がって、また膝枕されていた事実に気付く。


しかも寝顔見られたし。そう思ってため息をつく私の額に社長が手を伸ばしてくる。


思わずその手を避けると、不機嫌そうに眉をひそめる。


「顔が赤いから熱があるか確認しようとしただけだろ、なぜ避ける」


それはもう条件反射だ。何となく申し訳なかった気がして社長を見上げる。


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