俺様社長の恋の罠

ど、どっちを……と思ったけれどこないだのやつなわけないからまだ営業一課にいた頃のだろう。


「あれは、私が体調悪かったのを社長がたまたま通りかかって心配してくれただけだよ」


私のその言葉を鼻で笑った眞木が私の事をチラッと見る。


「何とも思ってない女にあんなことするかね、あの人が。俺だって心配はしても膝枕はしないわ」


そう言って眞木はまたビールを飲む。なんか眞木、今日変だ。どうしたんだろう。


「それに俺、ショックだったんだよな。俺、全然羽山が体調悪いこと気付かなかったし。」


そう言って視線を下げる眞木に私はちょっと驚いてしまう。本当に、変かも……どうしちゃったんだろう。


「いや、私そういうの顔に出ないからさ。親も気付かなかったりするし」


そう言ってごまかすように笑うけど、眞木は暗い表情のままだ。


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