俺様社長の恋の罠

「もう、なぐさめていただく必要はありませんので、社長とそういうことはしません」


私はもう眞木のことで胸が痛むことはないし、泣くこともない。


今、私が好きなのは……九条社長だ。


好きになってしまったから。自覚してしまったら、もうそういうことはできない。


想いが溢れて、きっと我慢できなくなってしまうから。


勇気がない臆病な私に、それはできない。傷つくことが、玉砕覚悟で飛び込むことが、今はまだ怖い。


『……あいつと寝るの?』


社長のその言葉に私は驚いて目を見開いた。何を、言ってるんだろう。


「は?何言って……。眞木はもうすぐ結婚するんですよ?」


この人は、そんな人といくら好きだったとはいえ私が寝ると思っているのだろうか。


ああ、でもそうかもしれない。誰とでも寝る女だと思われいても仕方がない。


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