初恋ブレッド
宮内部長に案内され着いたのは、ビルの地下にあるお洒落な和食のお店。
会社の貸し切りになっていた。
19時になると、根岸部長の仕切りで新入社員歓迎会が始まった。
社長の挨拶に続き新入社員の挨拶。
順番に名前と簡単な抱負を述べた。
製造部は三人、総務部一人の合計四人。
私の同期となる人達は三人とも男の人。
工場とオフィスということもあり、会う機会もあまりない。
乾杯の後、少ししてから緊張の中お酌をして回った。
社長は話し方が優しくてホッとする、柔らかい物腰のおじいさん。
「仕事は慣れてきたかい?」
「はい。少しずつですが」
「部長達から一生懸命で良い子だって聞いてるよ」
「えっ、そんな。ありがとうございます」
「朝も早くて素晴らしいね。今朝は掃除していたのかな?」
「はい。簡単にですが……」
「ところで、宮内くんとは恋人のようだが?」
社長!?何を突然。
「ちっ、違います!」
宮内部長も吹き出してるっ。
さらには総務部の先輩達に有り得ないと大笑いされた。
「え?……先読みしすぎたかなぁ」
「そんなことっ、絶対ないですよ!」
私が恋人だなんて、恐れ多い。
部長、怒ってないかな……?
こっそり様子を伺うとどうやら気にしていないようで、注がれたビールをごくごくと飲んでいる。
社長へニッコリ笑って、小さく呟いた。
「……本当、私なんて」
なんでこんなに、胸が切ないんだろう。
一通り挨拶回りが終わると新入社員も席に着いて飲み始めた。
私はビールが美味しいとは思えなくて、顔をしかめながらちょびちょびと。
はぁ、後一時間もある。
オレンジジュース飲みたいなぁ。
遠くに置いてあるジュースの瓶、取りたいけれど取りづらい……。
ビール瓶を片手に歩き始める人もちらほら現れた頃、やっと一杯飲み干して息を吐く。
「やぁ田代ちゃん!飲んで飲んで!」
「えっ、根岸部長!?あの私、もう……」
そうしてまた満杯に。
総務部の先輩達は皆お酌をしに行ってしまい、私の周りの席には誰もおらず根岸部長はそのまま座り込んでしまった。
会社の貸し切りになっていた。
19時になると、根岸部長の仕切りで新入社員歓迎会が始まった。
社長の挨拶に続き新入社員の挨拶。
順番に名前と簡単な抱負を述べた。
製造部は三人、総務部一人の合計四人。
私の同期となる人達は三人とも男の人。
工場とオフィスということもあり、会う機会もあまりない。
乾杯の後、少ししてから緊張の中お酌をして回った。
社長は話し方が優しくてホッとする、柔らかい物腰のおじいさん。
「仕事は慣れてきたかい?」
「はい。少しずつですが」
「部長達から一生懸命で良い子だって聞いてるよ」
「えっ、そんな。ありがとうございます」
「朝も早くて素晴らしいね。今朝は掃除していたのかな?」
「はい。簡単にですが……」
「ところで、宮内くんとは恋人のようだが?」
社長!?何を突然。
「ちっ、違います!」
宮内部長も吹き出してるっ。
さらには総務部の先輩達に有り得ないと大笑いされた。
「え?……先読みしすぎたかなぁ」
「そんなことっ、絶対ないですよ!」
私が恋人だなんて、恐れ多い。
部長、怒ってないかな……?
こっそり様子を伺うとどうやら気にしていないようで、注がれたビールをごくごくと飲んでいる。
社長へニッコリ笑って、小さく呟いた。
「……本当、私なんて」
なんでこんなに、胸が切ないんだろう。
一通り挨拶回りが終わると新入社員も席に着いて飲み始めた。
私はビールが美味しいとは思えなくて、顔をしかめながらちょびちょびと。
はぁ、後一時間もある。
オレンジジュース飲みたいなぁ。
遠くに置いてあるジュースの瓶、取りたいけれど取りづらい……。
ビール瓶を片手に歩き始める人もちらほら現れた頃、やっと一杯飲み干して息を吐く。
「やぁ田代ちゃん!飲んで飲んで!」
「えっ、根岸部長!?あの私、もう……」
そうしてまた満杯に。
総務部の先輩達は皆お酌をしに行ってしまい、私の周りの席には誰もおらず根岸部長はそのまま座り込んでしまった。