初恋ブレッド
~宮内部長のジャムパン論~
「なんか田代さん暗くね?ケンカ?」
「いや……?」
妙に暗い美琴がトボトボとオフィスへ入っていく。
首を捻り持っていた缶コーヒーを煽ると、残っていた白坂が溜め息を吐いた。
「あそこまで気にしなくてもいいのに……」
「理子、お前なんか言ったな!」
「なによっ。あの子ウブすぎんのよ!」
「そこがいいんだろ!」
「はぁ?まだ忘れられないんなら別れるけどぉ?」
「そういう意味じゃねーの!」
散々お互いに『無理』だと騒いでいたくせに、アッサリ付き合いだした大介と白坂。
傷を舐め合ううちにそういう仲になったとかで、うるさい痴話喧嘩を毎日聞かされている。
何だかんだ言いながら二人とも美琴を可愛
いがっていて、友達ができたと本人も嬉しそうで何より。
コーヒーを飲みながら遠目に見ていると、白坂にギラッと睨まれた。
「フン。宮内部長も押し倒すくらいしたらいいんですよ!」
「ゲホッ」
一体何をあいつに吹き込んだんだ。
「おい理子、そういうのはお前が口出すことじゃ……」
「だって私みたいに綺麗になりたいって言うから!」
「田代さんが?」
「私なんかじゃ部長に釣り合わないって、なんかもう健気なんだもの!」
「田代さん可愛いのになぁ」
「だから仲が深まれば自信もつくでしょ?」
「確かに。司、さっさと抱いてやれ」
「…………お前ら、余計なお世話だ」
この二人、疲れる。
振り切ってオフィスのドアを開けると、デスクで小さくなりショボンと項垂れる美琴。
自信なさげなその小さな背中が自分のためだと思うと、申し訳ないが可愛いくって顔がニヤけた。
別に俺も、いつまでも大目に見ようとは思っていないんだけどなぁ。
今は今でウブなトコロを楽しんでいるというか。
というか、仕事でまともに会えてないからそっちのが不安だし。
眠りから覚めた日曜日の昼下がりに誘うのも悪いし、俺の部屋汚すぎて呼べないし。
俺も俺で、自信はない。
「なんか田代さん暗くね?ケンカ?」
「いや……?」
妙に暗い美琴がトボトボとオフィスへ入っていく。
首を捻り持っていた缶コーヒーを煽ると、残っていた白坂が溜め息を吐いた。
「あそこまで気にしなくてもいいのに……」
「理子、お前なんか言ったな!」
「なによっ。あの子ウブすぎんのよ!」
「そこがいいんだろ!」
「はぁ?まだ忘れられないんなら別れるけどぉ?」
「そういう意味じゃねーの!」
散々お互いに『無理』だと騒いでいたくせに、アッサリ付き合いだした大介と白坂。
傷を舐め合ううちにそういう仲になったとかで、うるさい痴話喧嘩を毎日聞かされている。
何だかんだ言いながら二人とも美琴を可愛
いがっていて、友達ができたと本人も嬉しそうで何より。
コーヒーを飲みながら遠目に見ていると、白坂にギラッと睨まれた。
「フン。宮内部長も押し倒すくらいしたらいいんですよ!」
「ゲホッ」
一体何をあいつに吹き込んだんだ。
「おい理子、そういうのはお前が口出すことじゃ……」
「だって私みたいに綺麗になりたいって言うから!」
「田代さんが?」
「私なんかじゃ部長に釣り合わないって、なんかもう健気なんだもの!」
「田代さん可愛いのになぁ」
「だから仲が深まれば自信もつくでしょ?」
「確かに。司、さっさと抱いてやれ」
「…………お前ら、余計なお世話だ」
この二人、疲れる。
振り切ってオフィスのドアを開けると、デスクで小さくなりショボンと項垂れる美琴。
自信なさげなその小さな背中が自分のためだと思うと、申し訳ないが可愛いくって顔がニヤけた。
別に俺も、いつまでも大目に見ようとは思っていないんだけどなぁ。
今は今でウブなトコロを楽しんでいるというか。
というか、仕事でまともに会えてないからそっちのが不安だし。
眠りから覚めた日曜日の昼下がりに誘うのも悪いし、俺の部屋汚すぎて呼べないし。
俺も俺で、自信はない。