女神は片目を瞑る~小川まり奮闘記②~
こういう事もそりゃあるとは思う。何かの用事があったから昨日だって休日を潰して会いに行っていたわけだし、例えば相手側からの相談事なら今夜も引き続きのっているってことだって、あるだろう。
・・・・でも、何か。
ちょっと様子がおかしいような・・・。
食べられなかった彼の分のおかずをそのまま弁当箱に詰める。明日の私のお昼ご飯だ。
スッキリとしない気分のまま、入浴を済ませ寝る支度をした。
イライラしている時はこれに限る、とラベンダーのお香を枕元で焚く。
「・・・・・何だろう」
何てことないメールだった。普通に、彼が打ちそうな内容の。でも、私の神経は何かに引っかかったようだった。
メールを読み返して首を捻る。
別におかしいとこは・・・ない。
電気を消して、横になる。
眠りに落ちる瞬間、そういえば、恋人になってから直に彼と話さずにいた一日はこれが初めてだ―――――と思った。
彼の夢を見た。
まだ長髪の桑谷さんと、二人でお茶をしている。
知らない喫茶店みたいだった。
私が話しているのに相槌を打って聞いていた彼が、ふと何かを気にして窓の外を見た。