女神は片目を瞑る~小川まり奮闘記②~
「あはははははははは!!!!」
大爆笑してしまった。花嫁と二人で身をよじって笑っていた。周りが何事かと見詰める中、涙がでるほど笑っていたら、噂の本人が怪訝な顔してやってきた。
「・・・・おい、まりっぺ。俺の奥さんに一体何吹き込んだんだ?」
あふれ出してくる笑いをどうにかかみ殺して、私は楠本の肩をバンバンと叩く。
「あんた、覚悟しといた方がいいわよ!彼女はいつでもあんたの2歩先を行っている」
「あん?」
眉を寄せる楠本にまだ笑ったままの彼女を引き渡した。顔を見合わせた二人は微笑んで手を取って、親族の方へ向かう。
弘美が駆け寄ってくるのが見えた。
早速、この話をしなくっちゃ。またも笑い出しそうになる顔を両手で挟んで私も歩き出す。
季節は春で、私の周りにはいつも笑い声が溢れていた。
私は恋人から夫へ昇格した男性の手を今日もしっかりと握る。
そしてこの素晴らしい人生を今日も心から楽しむのだ。
過去から黒い手が伸びてきたって大丈夫。また戦って必ず勝ってやる。
いつだって目の前には―――――――――
光りに満ち溢れた、未来がのびるだけ・・・・・。