女神は片目を瞑る~小川まり奮闘記②~


 今朝はちゃんと彼女の家に行けたから、それなりに幸せな激しい運動もしたし眠気が酷い。

 もうビールはなしで、ベッドに転がった。

 夢うつつの中で今朝の彼女が蘇る。

 ほとんど全裸でタオルケットだけを巻いて寝ていた。ほとんど全裸ってのは、着ていたのは可愛い紐パンツだけだったからってこと。

 企んだ瞳で楽しそうに俺を見上げて、いとも簡単に誘惑した。・・・あんなの反則だろ。あんな薄っぺらい、ほとんど解けてる紐だけで何とかひっついている下着なんて。見た瞬間から剥ぎ取りたくて死にそうだった。

 あまりガツガツいきたくないが、彼女を前にするとどうしても自制心が崩壊しそうになる。

 柔らかい唇も、ちろりと動く舌も、つんと尖った胸も、細い腰も、白い太ももも―――――――記憶があふれ出して止まらず、眠気が飛んで体が熱くなってしまった。

「・・・・おいおい」

 寝返りを打つ。俺は寝なくては。明日は仕事だ。変動シフトだから、出勤は12時でいいのが救いだな・・・。このままでは確実に寝不足だ。

 だけど、記憶の暴走が止まらない。

 彼女をひっくり返して後ろから攻め、腰を掴んで動く快感とか――――――

 頬を上気させ眉間に皺を寄せて潤んだ瞳で俺を見上げるのとか――――――――

 あの時しか聞けないとろける甘い声とか―――――――――


「・・・・・マジ、無理だ」

 すっかり起きてしまった体を持て余して自分で頭をはたく。今抱けないのに想像して興奮してどうすんだよ!!俺は10代の少年かよ!

 まさか、自分がこんな風にのめりこむなんて。

 ・・・あー・・・今すぐ飛んで行って、襲いたい。きっと今日も着ている緑色の柔らかい部屋着ごと、あの体を食べてしまいたい。


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