女神は片目を瞑る~小川まり奮闘記②~
出来るだけ気にせずに普段の生活をするしかない。
でも四六時中彼と一緒にいなきゃと思うと、本気でうんざりした。
・・・結婚したってこんなにいつも一緒にいないでしょ・・・。
ムカつきは日々溜まっていき、毎日のように郵便受けに入ってる白い封筒の数が増えていくのを見ていたら、発狂するかと思った。
手紙は少しずつ、日記みたいになっていった。
「まりさん。
今日の服装は気に入ったな。
彼氏と住むことにしたんだね。
君は彼の過去を知ってるの?」
「まりさん。
今日は美味しい蕎麦の店を見つけた。
今度一緒に行かない?
誘いにいくから頷いてくれ」
「まりさん。
そろそろ僕を受け入れてくれた?
声をかけようかどうかで悩んでるんだ。
かけたら、笑顔をみせてくれるよね。
君は冷たい女じゃないだろう?」
「まりさん。
今日も君を眺めていたよ。
せっかく美人なのに、イライラした顔しちゃ台無しだよ。
僕がそばにいたら笑わせてあげるのに」