波留が自分の親のように思っていたから俺は言えなかったと思う。



それを話すと、めったに涙を流さない父が泣いていた。
母はハンカチで目頭を押さえながら泣いていた。



火葬するとき、棺には波留が書いていた日記帳は入れなかった。



波留がどんなことを日記に記していたのか気になったし波留が生きた証を残しておきたいという気持ちがあったからだ。



波留の日記を開くと、まずはじめに書かれていたのは



気付いたらすぐ書くこと。
マイナスのことも書くこと。



と書かれてあった。
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