卒業までに、俺を好きになってくれないか
和久井さんは、俯いた





「あの… 私…」




モジモジしながら、眼鏡とか外し出して


俺は、ぽっかりと口を開けた


「Rieさん!?」


同い年かよ?

じゃない


和久井さんとRieが同一人物!?


なんで!?



なんで、教えてくれなかった?





「騙してたんだ」




「……言えなくて
ごめんなさい… あの… 私…」





ポロポロと涙を落として




「騙すつもりじゃ……」




結果的に、俺は



ピエロだ




Rieに和久井さんが好きって言って

和久井さんに好きって言ったらRieになって




「面白かった?
俺が、和久井さんに惹かれているの知ってて、普通にしてるなんて…
俺…… 結構、傷ついた」



「……ごめんなさい」




外したものを持って、立ち上がると

そのまま部屋を出て行った



「和久井さんは?」



戻ってきた2人を睨む


「お前ら、知ってたわけ?」


「俺は、聞いただけ
琉聖に言いたいからって、協力頼まれた」


「火曜日に、教えて貰ったんだけど
本当は、宮原君に最初に言いたかったんだって、江梨奈ちゃん
すっごく、自分の容姿を気にしてて
宮原君に、嫌われるの怖がってたよ」


「悪い……
なんか、すげぇショック……」


「どうして?見た目が好きになった訳じゃ
ないでしょ!?
なにが、ショックなの?」


「確かに… 琉聖
和久井さんのこと可愛いって
あんなに言ってたじゃないか!!!」



「和久井さん……泣いてた……」



「電話してみる!」



加藤が電話してくれたけど


出なかった








「家、隣だった……」



「は?隣かよ!?行ってこい!!」









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